今回のブログでは意外と知られていない猫の虫歯ついて解説していきます。
このブログを参考にお家の猫ちゃんの歯についてぜひ理解を深めていただければと思います。

猫の虫歯

みなさんは猫にも虫歯があるのをご存知でしたか?
ただ、ひとこと虫歯と言ってもその見た目や病態は人の虫歯と大きく異なっています。

人の虫歯はいわゆる虫歯菌が食べ物に含まれている糖質をもとに酸を産生し、歯が溶けてしまうことで生じます。
進行すると神経にも感染を起こし、痛みを伴います。

対して猫の虫歯は、吸収病巣、破歯細胞性吸収病巣などとも呼ばれ原因は特定されていませんが、20〜67%もの猫が罹患していると言われています。
レントゲン上は歯が虫食い状に吸収されてしまったような見た目をしていますが、歯の見た目はそれ以上に特徴的です。


写真のように、ピンク色のお肉のようなものが歯の表面を覆っているのが虫歯発見の第一歩です。
これは吸収された歯を補うように炎症性の肉芽が付着したものと考えられています。

犬歯(牙)が延びてきた子は要注意


高齢の猫を飼われている方からでよくご相談を受けるのですが、犬歯が延びてきたように感じることはありませんか?
これは挺出(ていしゅつ)と呼ばれている症状で、歯肉が後退しているのではなく犬歯が出てきてしまっている状態です。

先程解説した猫の虫歯を患っている子では犬歯の挺出が有意に多かったという報告があります。
また、延びている犬歯だけではなく他の歯にも虫歯が起こっていることもあるそうです。
犬歯が埋まっている部分では歯槽骨炎を引き起こしてしまこともあります。

飼い猫の犬歯が延びてきていると感じた方は動物病院を受診しましょう。