カラフルでおしゃべりも得意なセキセイインコはかわいらしくてペットとして人気がありますね。しかし犬猫と比べると飼育本や診てくれる病院が少なく困っている人も多いのではないでしょうか。この記事ではセキセイインコを病院に連れて行くタイミングや病院選びのポイント、連れて行くときの注意点などを解説していきます。

どんな時に病院に連れて行けばいいの?


①新しくインコをお迎えしたとき

 特にペットショップで購入したインコは流通の過程で大きなストレスを受けてきており、多くの鳥と接触し、不衛生な環境にいた可能性もあるため感染症を持っている可能性があります。お迎え後なるべく早くに健康診断に行くことをおすすめします。先住鳥がいる場合は病気がうつってしまう可能性があるため、健康だとわかるまでは一緒に遊ばせるのは避けましょう。雛の場合はまだ体力がないので、挿餌を卒業しある程度大きくなってから行くようにしましょう。

②インコに異常がみられるとき

 鳥は病気を隠します。自然界では自分の弱みを見せると敵に襲われることがあるからです。最悪の状態になって初めて病気らしい雰囲気を見せるので、「あれ?具合が悪いのかな」と思った段階では手遅れのことが多いのです。何か少しでもおかしな点があれば病気を疑って、急いで病院へ連れて行きましょう。ここでは代表的な病気のサインを紹介します。

・生あくびをしている
 そのうという食物をためておく場所に炎症を起こしている可能性があります。

・変な呼吸音が聞こえる
 肺や気嚢などの呼吸器の病気の可能性があります。

・食欲がない
 様々な病気が疑われます。普段から食べる量をチェックしましょう。
 また食べているふりをしていることもあるため、実際に食べているか注意が必要です。

・羽毛をふくらます
 体調が悪いとき、寒いときのサインです。
 
・眠ってばかりいる
 かなり危険な状態です。急いで動物病院へ。

・糞をするときにお尻をふる
 生殖器系のトラブル、腹腔内腫瘍や腹水なども考えられます。

ここに書いたのはほんの一部です。繰り返しになりますが、何か少しでも普段と違う点があったらすぐ病院へ連れて行きましょう。

③健康診断

 毎日一緒にいると、徐々に進行する異常に案外気が付きません。病気になってからの治療は大変なので、定期的に健康診断を受けて予防しましょう。健康診断を受けることは、主治医の確保にもなるので重要です。また普段の生活面でのアドバイスや体調に関して気を付けておくことなど相談することも大切です。年に2回、春先を秋口に受けさせるのがおすすめです。

どうやって病院を選べばいいの?



 鳥はストレスや寒さに弱いため、長時間の移動はできれば避けたいところです。しかし近くに動物病院があっても、いざというときに「鳥は診られない」と断られるケースもあります。あらかじめ鳥が診られる動物病院を見つけておくことが大切です。ホームページなどに具体的に鳥の診察に関して記載されている所を探したり、不明な場合は電話して診察や検査が可能かを確認してみましょう。目安としては、そのう液の検査、糞便検査ができれば安心です。よさそうな病院が見つかったら、一度下見をかねて健康診断に行ってみるのがおすすめです。

こんな病院なら安心

・インコをスムーズに捕まえて保定できる
・飼育環境についてのアドバイスもしてくれる
・治療内容をきちんと説明してくれる
・インコの全身をていねいに診てくれる

病院に行くときの注意点



キャリーケースに入れる

 移動用の小さいキャリーケースに入れます。ここで気を付けたいのは、移動中にインコを逃がしてしまうことです。しっかりと蓋がロックできるものにしましょう。扉に結束バンドやナスカンをつけるとさらに安心です。下にはキッチンペーパーなどをひき、餌を撒きます。水はこぼれるとインコにかかって体温を奪ってしまうので、入れないかこぼれないように工夫しましょう。インコは2~3時間は水を飲まなくても大丈夫です。また、外から見えないようにケースをバッグや毛布で覆ってあげるとインコは安心します。病院に行く時や災害時のために、普段からキャリーケースに慣れさせておきましょう。

温度調節をする

 中に温度計を入れて常に温度を気にかけてあげましょう。特に体調の悪い子は保温が重要です。冬は使い捨てカイロや湯たんぽで保温します。使い捨てカイロは酸素を大量に消費するのでケースの外側に設置し、空気の通り道を確保します。夏は直接日光が当たらないようにし、温度が上がりすぎないように黒や厚手のバッグは避けるなど工夫しましょう。少しの時間でも、インコを車の中に放置するのは熱中症の危険があるので絶対にやめましょう。

糞を確保する

 下痢便や血便など、いつもと違う糞をしていたら、乾燥しないようにラップに包んで持参します。鳥は15~30分の間に1度は糞をするので、持参できなくても診察までにしていればそれを使います。

動画や写真などの記録をもっていく

 病院に来た子は上記でも触れた通り、体調が悪いことを隠そうとして気丈に振る舞います。おうちで様子がおかしいと思った時の様子や住居の動画や写真、普段の体重の記録など病院には可能な限り情報を持ってきていただけると非常に診察の参考になります。ぜひ積極的に普段から記録を残すようにしましょう。

準備しておこう!




インコの病気の治療は早期発見がカギ。毎日しっかり観察して、ささいな変化にも気づいてあげられるようにしましょう。いざというときにすぐ連れて行けるようにするためにも、病院探しなど普段からできることを準備しておきましょう!