今回来院してくださったのは5歳のポメラニアンのPくん
実際に目にしたわけでは無いけれど、梅干しの種がなくなっていて心配ということで病院に連れてきてくださいました。
梅干しなどの植物の種は胃から腸に出ると腸を詰まらせてしまうことがあるため飲み込んでいた場合には最悪の場合開腹手術が必要なことも・・・

飼い主様とご相談させていただき、飲み込んだ可能性がある時間からまだそれほど経過していないということでまずは催吐処置を行いましたが、梅干しの種は出てこず。
エコー検査やレントゲン検査でも明らかな異物を見つけることはできませんでした。

飼い主様にお伝えし、一度ご自宅を探してもらうも梅干しの種は見つからず。
麻酔リスク等もお話しさせていただき、いざ内視鏡検査へ

胃に入ると胃内は空っぽの状態で、梅干しの種は見つからず、胃の出口に内視鏡を進めます。
この時点で内心ではやっぱり食べていないのではという考えもありましたが胃の出口にありました。


この時点で院内スタッフは大喜びでしたが実はここからが大変でした・・・
胃の出口に梅干しがすっぽりハマってうまく出てこない・・・

いろんな試行錯誤をしてなんとか取り出せました。

こんなに梅干しの種を見つけて嬉しいことはありません
無事に退院していってくれました。



内視鏡は届く範囲が限定されており、すべての異物を取り出すことができる魔法の機械ではありません。
ただ、尖っている物の摘出や今回のようなケースなどでは体にメスを入れることなく摘出ができる場合もあります。

異物などは食べてしまってからの時間勝負のようなところもありますので、今回のように食べちゃったかもというケースでもご相談いただければと思います。