なぜ犬にノミが寄生してしまうの?
犬が感染する寄生虫の1つにノミがあります。ノミが犬に寄生すると皮膚炎や感染症を引き起こす恐れがあります。原因と対策をしっかり理解しておきましょう。
ノミの感染経路
犬にノミが寄生する原因は様々です。
・散歩などの外出先で草むらの中からノミが寄生する
・すでにノミに寄生されている犬との接触
・すでにノミに寄生されている人間や野外生物との接触
・家に入り込んだノミが大繁殖して寄生する
ノミは犬だけでなく、人や猫などの野外生物にも寄生します。特に犬に寄生するノミの多くが猫ノミであるため、猫との接触には注意が必要です。また、人間の衣服などに付着したノミが家に入り込み、暖かい部屋の中で大繁殖してしまうケースもよく見られます。
このように、犬はノミに寄生されるリスクが高いため、定期的に予防をする事が重要となります。
ノミに寄生されるとこんな症状が出る
犬がノミに寄生されると、皮膚に強いかゆみや炎症を引き起こします。
犬が次のような仕草を見せる場合は、ノミに寄生されている恐れがあります。よく注意して観察するようにしましょう。
・足で顔や身体を掻く
・歯で身体を噛む
・地面に身体を擦り付ける
・肌に赤い点々ができる
・毛が薄くなったり、脱毛している部分がある
また、ノミに寄生されると皮膚のトラブル以外にも瓜実条虫症(サナダムシ)という感染症を引き起こす危険性があります。瓜実条虫症に感染すると下痢や嘔吐の症状が引き起こされます。
ノミの見つけ方
ノミは1.5〜2mm程の大きさなので、体表をよく見るとノミが見える事があります。もしくは、小さい粒のような卵や黒い小さな糞が見られる場合はノミに寄生されている可能性が高いです。
目の細かい櫛でブラッシングすると卵や糞、ノミの成虫が取れる事もあります。
ノミを見つけた時の対処・駆除方法
犬にノミが寄生しているのを見つけた場合は、自己判断で対処をするのは大変危険です。
特にノミを手で潰すことは絶対に行わないでください。ノミを潰すと卵が飛び散って、犬や人間の口の中に入り込む危険性があります。さらにそのノミが瓜実条虫に感染している場合、瓜実条虫症を引き起こす恐れがあります。瓜実条虫症は人間も発症する病気ですので、注意が必要です。
必ず病院で対処してもらおう
犬に寄生した大量のノミを自宅で対処するのは不可能です。必ず病院へ行って、駆除薬をもらう等の対処をしてもらいましょう。
ノミとりシャンプーで対処できない?
ノミの駆除方法としてシャンプーをする方がいますが、シャンプーはあくまで一時的処置になります。ノミが仮死状態になるだけで、その後さらに繁殖を繰り返すリスクが高いので、病院で確実に駆除してもらうようにしてください。
ノミは予防薬で定期的に予防するのが重要
散歩やドッグランなど、外出する機会が多い犬は常にノミに寄生されるリスクがあります。そのため、犬のノミは予防薬で定期的に駆除をする事が重要となります。
薬を使って定期的に予防対策をしよう
犬のノミ予防は薬によって行われます。薬の種類は主に口から飲ませる経口タイプと、首の後ろに薬液を垂らすスポットタイプがあります。それぞれメリット・デメリットがあるため、犬の好みや体質で選ぶ事が大切です。
・経口タイプ
口から薬を飲ませるタイプの予防薬で、薬が練りこまれたおやつタイプの薬です。食べるのが大好きな犬におすすめで、皮膚にトラブルがある場合でも使用できる薬です。ただし食物アレルギーがある場合は、チュアブルタイプの薬が飲めないケースもあります。
・スポットタイプ
液体の薬を首の後ろに垂らし、皮膚から浸透させるタイプの薬です。経口タイプのように吐き出してしまう心配がなく、食物アレルギーがある犬でも安心して使用できます。薬を塗布してから乾燥するまではシャンプーができない事や、薬を舐め取られてしまうリスクがデメリットとしてあげられます。また、肌が弱い犬は薬で皮膚が荒れてしまうリスクもあります。
オールインワンタイプの予防薬について
基本的にノミの予防薬は、ダニへの予防効果を一緒に発揮するものが殆どです。ただし、他にも犬が予防するべき寄生虫があり、それがフィラリアです。
経口タイプの中にはオールインワンの薬があり、ノミ・ダニ以外にもフィラリア症や、お腹の寄生虫を一緒に予防する事が可能です。薬を複数飲ませる手間が無くなるため、犬にとっても飼い主にとっても便利な薬になります。ただし、薬を飲み込む事が苦手だったり、吐き出しやすい子には不向きになります。
ノミの予防薬を飲む期間は?
ノミは1年間通年で予防する必要があります。冬はノミが生息していないのでは?と考える方も多いかと思いますが、温暖化によって冬でもノミが生息している場合があります。さらに暖かい室内では、季節に関係なくノミは繁殖をすることが可能です。
ダニやフィラリアといった、他の寄生虫と一緒に1年間通して予防することをお勧めします。
犬のノミは人間にも影響ある?
ノミは犬だけでなく人間にも被害をもたらします。
人間がノミに刺されると皮膚に強い痒みを引き起こし、酷い場合は細菌感染を起こして水膨れの状態になります。また、前述のとおり瓜実条虫症という感染症を引き起こすリスクもあります。
1匹でもノミを見つけたら、必ず動物病院へ相談するようにしましょう。また、人間にもノミによる何らかの症状が出ている場合は、人間も病院に受診するようにしてください。
犬と人間が共に快適な生活を送るためにも、ノミの予防は通年で行うようにしましょう。