卵詰まりとは?
卵詰まりとは、卵が正常に産卵されずに体内に留まってしまう状態を指します。鳥類では、卵が形成されてから通常の産卵時間(約24時間)を過ぎても排出されない場合に疑われ、爬虫類でも卵管や体腔内に卵が停滞することがあります。

原因
鳥類の場合
・栄養不足:卵殻形成や卵管の収縮に必要なカルシウムやビタミンD3の不足
・運動不足・肥満:筋力の低下や脂肪の蓄積による影響
・ストレスや環境要因:騒音や環境の変化によるホルモンバランスの乱れ
爬虫類の場合
・卵のサイズや形状の異常:過大・変形した卵
・骨盤の狭さ
・栄養不良や脱水:カルシウム不足や脱水による卵殻形成不全、卵管の収縮不良
・不適切な飼育環境:温度や湿度が適切でない状態

卵詰まりの症状
卵詰まりを起こした動物には、以下のような症状が現れます:
・腹部の膨張
・食欲不振、元気がない
・呼吸困難(口を大きく開ける、天を仰ぐような呼吸)
・排泄困難(鳥類では3日以上、爬虫類では10日以上便秘)
・神経症状(脚の麻痺、筋力の低下)
進行すると腹膜炎や敗血症といった、命に関わる合併症を引き起こすこともあります。

治療法
鳥類の場合
軽度であれば、保温(30〜33℃)とカルシウム剤の投与で改善を図ります。改善が見られない場合は、産卵促進剤の投与、卵の手動摘出、外科手術が選択されます。
爬虫類の場合
内科的治療として産卵促進剤が使われますが、効果がなければ外科手術で卵を摘出します。特に栄養状態が悪い個体では、麻酔や術後管理にリスクが伴います。

予防策
・適切な栄養管理:カルシウム・ビタミンD3を含むバランスの取れた食事
・適度な運動と日光浴:骨格や筋肉の健康維持
・飼育環境の整備:温度・湿度・光周期の適正管理
・発情の管理:視覚刺激の制限や、必要に応じた発情抑制薬の使用

まとめ
卵詰まりは、予防に努めていても完全に防げるものではありません。だからこそ、早期発見と迅速な対応が非常に大切です。飼育している鳥類や爬虫類にいつもと違う様子が見られたら、迷わず動物病院に相談しましょう。