毛周期停止とは?

・顔や足以外の毛が抜けてしまう病気で、仔犬で発症することが多いです。
・「痒みがない」ことが特徴で、見た目上の問題だけでなく毛がないことで二次的に肌トラブルが起こることがあります。
・毛が抜ける前に子犬の様な毛質(ホワホワしている毛)に変わってくるのも特徴の1つです
・現在は「毛周期停止」と呼ばれることが多いですが、以前は「アロペシアX」「脱毛症X」などと呼ばれていました。
 


原因、診断について

・遺伝的要因やホルモンが関連している?などの報告はありますが、はっきりとした原因はわかっていません
・「毛周期」という、毛が生え変わるサイクルが止まってしまうことが脱毛の原因となります
・年齢は1〜2歳くらいで発症し、男の子の方が多い(女の子もかかる病気です)病気です
・ポメラニアン、パピヨン、チワワ、トイプードル、チャウチャウ、キースホンド、アラスカンマラミュート、ハスキーなどの北方犬種に多く発症すると言われています
・日本ではポメラニアンが圧倒的に多い印象です

・診断には「各種検査(血液、尿、画像)」「皮膚病理検査」が用いられます
・各種検査で他の病気を除外して皮膚病理検査で確定していく流れとなります


治療法はあるの?

『毛を生やす』という事に着目した治療がメインとなります

①ビタミン剤/アミノ酸
サプリメントなどを飲むことによって、毛の栄養を補助して発毛を促します
最近ではプラセンタが効くという報告もあります

②メラトニン
毛の周期をコントロールして発毛を促します

③避妊/去勢手術
性ホルモンの影響があると考えているため、手術をすると数ヶ月で発毛することがあります

④マイクロニードル
小さい針がたくさんついたローラーで皮膚を刺激する事で皮膚の再生や発毛を促します
痛みが生じるので鎮静や麻酔をかけて行うことが多いです

⑤ホルモン剤
体内で分泌されるホルモンを調整することによって発毛を促します
ホルモン剤は副作用を起こす可能性もあるため、こまめな血液検査や定期検診が必要になります

⑥スキンケア
脱毛症を治すわけではなく、毛がないことによる二時的な皮膚トラブルを防止します
肌バリアを強くするために保湿を行ったり、紫外線から肌を守るためにUVスプレーなどを使用します