狂犬病ワクチンはなぜ大切?義務化の理由と日本の歴史
春は、愛犬の狂犬病ワクチン接種の季節です。多くの飼い主さんが毎年受けるこのワクチンですが、「なぜ毎年必要なの?」「本当に安全なの?」といった疑問を持つ方もいるかもしれません。
実は、狂犬病ワクチンは、あなたの愛犬を守るだけでなく、社会全体を守るための大切な役割を担っています。
狂犬病とは?致死率ほぼ100%の恐ろしい病気
狂犬病は、犬だけでなく人間を含むすべての哺乳類に感染するウイルス感染症です。一度発症すると有効な治療法はなく、致死率はほぼ100%という非常に恐ろしい病気です。感染した動物に噛まれることで、唾液からウイルスが侵入し、感染が広がります。
なぜ毎年接種が義務なの?
現在、日本は1957年以降、国内での狂犬病の発生がない「狂犬病清浄国」です。しかし、アジアをはじめ世界では年間5万人以上が命を落としており、いつ日本にウイルスが侵入してもおかしくない状況にあります。
この脅威から日本を守るために、「狂犬病予防法」によって、生後91日を過ぎたすべての犬に年1回のワクチン接種が義務づけられています。これは、もし国内で感染が発生した際、ウイルスが広がるのを防ぐための「防波堤」としての役割を担っているのです。
狂犬病ワクチンの接種時期と接種当日の注意点
接種に最適な時期
狂犬病ワクチンは、毎年4月1日から6月30日の間に接種することが推奨されています。当院では、接種証明書の発行や、市町村への手続き代行も行っておりますので、お忙しい方も安心です。
接種当日の注意点
愛犬の健康を第一に、以下の点に注意しましょう。
・体調が万全か確認する: 元気や食欲がないときは、無理に接種せず獣医師に相談してください。
・空腹すぎない状態が理想: 接種前は、軽めの食事を済ませておきましょう。
・接種後は安静に: 激しい運動や長時間のお散歩、トリミングなどは避けて、家でゆっくり過ごさせてあげてください。
・数時間は様子を見る: 副作用が出ていないか、接種後数時間は愛犬の様子をよく見守りましょう。
ワクチンの副作用と費用について
副作用は?
狂犬病ワクチンの副作用は非常にまれですが、次のような症状が見られることがあります。
・軽度な症状: 一時的な発熱、元気消失、注射部位の腫れや痛み、下痢、嘔吐など
・重度な症状(ごくまれ): 呼吸困難や失神などのアナフィラキシーショック
もし、接種後に異変が見られた場合は、すぐに動物病院にご連絡ください。
接種にかかる費用
当院での狂犬病ワクチン接種費用は、3,200円(非課税)です。この価格には、接種証明書の発行や、行政手続きの代行費用もすべて含まれています。
まとめ:愛犬と社会を守るための大切な一歩
狂犬病は、ワクチン接種で予防できる病気です。法律で定められているからだけでなく、大切な家族である愛犬の命と、私たち人間の安全を守るために、毎年忘れずにワクチンを接種しましょう。
ご不明な点やご不安なことがあれば、いつでも当院までご相談ください。今年も愛犬の健康を守るために、ぜひお早めの接種をご検討ください。