猫の尿道閉塞について
~早期発見と予防が命を守ります~
尿道閉塞とは
尿道閉塞とは、尿道の中に結晶や炎症細胞、腫瘍などが詰まったり、炎症によって尿道が狭くなってしまうことで、おしっこが出せなくなる病気です。
猫では特に多くみられる緊急疾患で、放置すると短時間で命に関わる危険があります。
しかし、病気の特徴を理解していれば予防や早期発見が可能です。
なぜ起こるの?
尿道が詰まる原因には、
- 尿中の結晶や炎症細胞などによる物理的な“栓”
- 肥満などによる外部からの圧迫
- 尿道の炎症や肥厚による狭窄
- など、さまざまなものがあります。
猫の性別によってもリスクが異なり、オス猫は尿道が細く長く曲がっている構造のため、尿道閉塞を起こしやすい傾向があります。
また、冬場は飲水量が減って尿が濃くなり、結晶ができやすくなるため、発症が増える季節でもあります。
主な症状
尿道閉塞が起こると、次のような症状が見られます。
- トイレに何度も行くが、尿が出ない
- 落ち着かずウロウロする
- 少量の尿がポタポタ垂れる
- 排尿時に鳴く、痛がる
この状態を放置すると、24〜48時間以内に腎臓の障害(急性腎不全)を起こし、尿毒症に進行します。
さらに食欲不振、嘔吐、脱水、ショック、膀胱破裂などを引き起こし、命に関わることもあります。
診断
尿道閉塞の診断では、飼い主さまからの情報がとても重要です。
「頻繁にトイレに行く」「血尿がある」「トイレ以外の場所で排尿する」などの初期の異変が手がかりになります。
診察では以下のような検査を行います。
- 触診:膀胱の張り具合を確認
- レントゲン・超音波検査:膀胱拡張や結石の有無を確認
- 尿検査:結晶や炎症、感染の有無を確認
治療
最も重要なのは、尿道の詰まりを解除することです。
尿道にカテーテル(細いチューブ)を挿入し、詰まりを取り除きます。
この処置は痛みを伴うため、鎮静や麻酔を用いる場合が多いです。
腎臓への影響が見られる場合は、点滴治療を行います。
また、閉塞の原因に応じて以下のような治療を併用します。
- 鎮痛剤・消炎剤・抗生剤の投与
- 尿結晶が原因の場合の食事療法
- 再閉塞防止のためのカテーテル留置・入院管理
軽症で早期に治療できた場合は、日帰りで帰宅できることもありますが、多くの場合は状態が安定するまで入院治療となります。
予後と再発防止
カテーテルで閉塞を解除できた場合、ほとんどの猫は回復して退院できます。
ただし、再発率が高いため、退院後も継続的なケアが大切です。
再発を繰り返す場合は、外科手術が必要になることもあります。
良好な長期予後を得るためには、飼い主さまのご協力が欠かせません。
ご家庭でできる予防のポイント
- オス猫を太らせすぎない
- いつでも新鮮な水を飲めるようにする
- トイレの様子をよく観察し、異変を感じたらすぐに病院へ
尿道閉塞は、知っていれば防げることが多い病気です。
日頃のちょっとした変化に気づくことが、愛猫の命を守る第一歩になります。