マウスロットとは?爬虫類の口内感染症について
愛する爬虫類の異変は、飼い主さんにとって心配の種ですよね。その中でも比較的よく見られる病気に「マウスロット」があります。
マウスロットとは、口の中の粘膜や歯茎、舌に細菌が感染して炎症を起こす病気で、正式には「感染性口内炎」と呼ばれます。軽度な口内炎から始まり、放置すると重症化して膿や壊死を引き起こすこともあります。最悪の場合、全身に感染が広がり、命を落とす危険もあるため、注意が必要です。
なぜ発症する?マウスロットの主な原因と予防策
マウスロットは、複数の原因が重なって発症することがほとんどです。ご自宅の爬虫類がこの病気にならないよう、原因と対策を知っておきましょう。
1. 飼育環境の不備
・原因: ケージ内の温度・湿度が不適切だったり、不衛生な環境が続くと、病原菌が繁殖しやすくなります。
・対策: 飼育しているヘビやトカゲに合わせた適切な環境を保ち、ケージ内を常に清潔に保ちましょう。
2. 栄養の偏り・免疫力の低下
・原因: ビタミンAやカルシウムなどの栄養が不足すると、爬虫類の免疫力が低下し、口の中のわずかな傷から細菌が侵入しやすくなります。
・対策: 餌にカルシウムパウダーやビタミン剤を添加し、栄養バランスの取れた食事を与えましょう。
3. 口のケガ(外傷)
・原因: ケージの金網に口をこすりつけたり、餌やり時にピンセットを強く噛んだりして、口の中を傷つけてしまうことがよくあります。この傷口から細菌が侵入し、マウスロットにつながります。
・対策: 給餌の際は、ピンセットの先端が尖ったものではなく、ゴム付きや丸いものを使用し、爬虫類に当たらないよう注意しましょう。
特に外傷は、大切に飼育しているからこそ起こってしまうケースが多い様です。
要チェック!マウスロットの初期症状と見分け方
マウスロットは、早期に気づくことが非常に重要です。次のような初期症状を見逃さないように、日頃から爬虫類の健康状態をチェックしましょう。
・口の周りが赤く腫れている、膿のような物が付着している
・食欲がない、または餌を食べたがらない
・口から嫌な臭いがする
・よだれや泡が出ている(特に粘り気のあるもの)
・口を少し開けたままにしている
これらの症状が一つでも見られたら、放置せずにすぐに動物病院に相談してください。
マウスロットの治療法と知っておくべきこと
動物病院では、症状の程度に合わせて治療を行います。
・口腔内の処置: 炎症を起こした部分を消毒し、清潔に保ちます。
・抗菌薬の投与: 細菌を抑えるための薬を、内服や注射で投与します。
・外科的処置: 症状が重い場合は、壊死した組織を取り除く手術が必要になることもあります。
ほとんどの場合、早期に適切な治療を行えば短期間で回復が見込めます。
まとめ:マウスロットの予防と早期発見が重要
マウスロットは、放置すれば命に関わる危険性がある病気ですが、飼育環境の改善や日々の観察で十分に予防・管理が可能です。
・清潔な飼育環境の維持
・栄養バランスの取れた食事
・給餌時の注意
これらのポイントを押さえて、爬虫類を健康に飼育しましょう。
「最近、爬虫類の餌食いが悪い」「口の周りが少し腫れている気がする」など、何か気になることがあれば、どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。当院では爬虫類の診療にも対応しています。