レントゲン検査とは?

レントゲン検査はX線を利用した検査であり、超音波検査(エコー検査)と同じように侵襲性が少なく、犬や猫の状態を知るためのとても有用な検査の一つです。胸部や腹部の臓器(肺・心臓・肝臓・脾臓など)や手足を撮影することで、各種臓器の異常や骨折の状態などがわかります。例えばレントゲン写真は、骨は白く、含気している肺(通常時の肺)は黒くうつる白黒写真のようなものです。さらに造影剤というものを使うことで白黒のコントラストをはっきりさせることができ、小腸など消化管や膀胱がどうなっているのかが分かりやすくなる撮影方法もあります。
 
 

レントゲン検査の種類

◇胸部レントゲン検査
心臓の大きさや気管、気管支、肺の状態の確認や救急疾患である肺水腫などのような診断にも用いられます。

◇腹部レントゲン検査
腹腔内臓器(胃、小腸、結腸、肝臓、脾臓など)の形や動き、腫瘍や腹水、結石の確認に用いられます。さらに子宮を撮影することで妊娠している動物では頭数や発育の状態を確認する妊娠診断も行うことができます。

これらレントゲン検査は侵襲性が少なく、痛みを伴わないとともに短時間で検査が終わるので犬や猫に負担があまりかかりません。緊急の場合を除き、消化器(胃や腸など)のレントゲン検査を受ける予定の場合は餌(食物)が消化管にたまってしまい、撮影の邪魔となるので検査当日は絶食するようにしましょう。検査は検査部位により異なりますが、多くの場合5~10分で終了します。
 

レントゲン検査でわかること

肺炎、気管支炎、気管虚脱、心疾患(僧帽弁閉鎖不全症、大動脈狭窄症、心房中隔欠損症、心室中隔欠損症、動脈管開存症など)、胸水、腹水、結石、腫瘍、骨折、ヘルニア、妊娠状態など様々な疾患やその動物の状態が判明します。
 
 

まとめ

この記事ではレントゲン検査について解説しました。レントゲン検査は侵襲性が少なく、時間もかからない検査で、わかることが多く有用な検査の一つです。飼い主さんも実際に撮ったレントゲン写真を獣医師と一緒に見ることで治療方針を相談しながら決めることができます。