健康診断や人間ドックを受けることは、私たちが健康に生活するうえで欠かせません。それは猫も同じこと。自分で体調の変化を訴えることができないペットにとって、健康診断はとても重要といえます。とはいえ、どんなことをするのか、お金はいくらかかるのかなど飼い主さんも不安も多いはず。この記事では、猫の健康診断の目的や検査項目、適切な頻度や費用の目安などについて獣医師監修のもと解説していきます。

猫の健康診断の目的は?




 猫の健康診断の目的は主に3つあります。

1.生活環境や生活習慣を振り返り、改善するきっかけにする。

 健康診断に行くことによって健康面に関する様々な情報を得ることができます。特に適切な体型であるかどうかは健康面に大きく影響します。自分の猫ちゃんが標準な体型だと思っていたら、意外と太りすぎだった、瘦せていた、というケースも少なくありません。また、体型や年齢に合わせたキャットフードの選び方など、生活環境や生活習慣について獣医師にアドバイスをもらえる良い機会にもなります。

2.病気を早期発見し、早期治療につなげる。

 人でも症状が何もないときは、病院へは足が遠のきがちです。動物病院に連れていくことが大変な猫であればなおさらです。しかし、動物は話すことはできませんし、中には病気を隠す子もいます。飼い主が猫の具合が悪いことに気づいたときには病状がかなり進行していた、ということはよくあることです。ほとんどの病気は、発見が早いほど治る確率が高くなります。健康診断を定期的に行うことで病気を早期発見することができ、結果として猫にとっても飼い主にとっても負担は少なくなります。

3.健康時の状態や各種検査の数値を把握しておく。

 血液検査に代表される各種検査は1点の検査では正確に判断できないことがあります。例えば、1年前の健康診断時にPCVという貧血を反映する項目が48%だった猫が、何か体調を悪くした際に31%まで減少していれば参考基準値内であっても貧血が進行していると判断できます。また、各検査項目の参考基準値は全ての猫に当てはまるわけではなく、猫の品種や体格、性別、年齢によって異なる場合もあります。若いころから定期的に健康診断を行うことでその猫の個体としての基準値を出しておくことが可能になります。それにより、病気の早期発見に重要な役割を果たすことができます。

猫の健康診断の検査項目は?




 健康診断でどの項目を行うかは迷うところだと思います。それは答えがないからです。行う項目は多ければ多いほど病気の早期発見確率が増えます。どの検査項目を行うかは、猫の状態、年齢、飼い主さんの予算によって獣医師にご相談ください。ここでは健康診断で行う代表的な項目とその特徴について解説します。

血液検査

赤血球や白血球、血小板の数や形態を確認します。貧血や感染などを確認するために行います。

血液化学検査

各臓器(肝臓や腎臓など)の働きについて確認します。肝臓病や腎臓病、糖尿病などの診断に有効です。

X線検査

臓器の大きさや位置、数を確認します。心拡大や胸水、腎結石や膀胱結石などの確認に有効です。

超音波検査

臓器の内部構造や大きさを確認します。心臓の弁障害や心筋症、体腔内のリンパ節の腫大の診断などに有効です。

尿検査

尿の濃さや血尿、細菌尿などを確認します。泌尿器系の病気や糖尿病の診断などの有効です。

便検査

便の状態を確認します。内部寄生虫や便中の細菌のバランスの乱れ、消化状態などを診断します。


猫の健康診断はどれくらいの頻度で受ければいいの?


 どのくらいの頻度で健康診断を行うべきか?と疑問を持っている飼い主さんも多いと思います。7歳までは1年に1回、8歳以上は半年に1回の健康診断が理想的です。1年に1~2回の健康診断は多いのではないかと感じる人もいると思いますが、猫と人のライフサイクルを比較すると、猫の1年は人の4年に相当します。人も中年以降は1年に1回の健康診断を受けることを考えると決して多い頻度ではありません。

猫の健康診断の前に準備しておくことは?


 準備すべきことは検査項目によって異なります。尿検査、便検査ではお家で飼い主さんに尿や糞便を取ってきてもらうことがあります。また、X線検査や超音波検査を行う場合は絶食が必要です。詳しくは健康診断を予約する際に動物病院にお尋ねください。

猫の健康診断にかかる費用は?保険は使える?



 

 平成27年に日本獣医師会が調査した「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査及び飼育者意識調査」の調査結果によると、健康診断にかかる費用の中央値は14,021円でした。

ただし、上記のように猫の健康診断は検査の種類が様々で、どの検査を受けるかによって金額が異なります。また、病院によっても検査の費用は異なるため、健康診断を受ける病院に費用の確認をするのが一番確実でしょう。

保険が使えるかどうかですが、ペット保険は基本的に、ケガや病気をした際の治療費に備えるために保険となります。そのため、健康体に対して行われる健康診断の費用は、保険の補償対象外となります。他にもワクチン等の予防のために行われる医療に対しても、ペット保険は補償対象外となります。

猫にも定期的な健康診断を!



 
 猫の健康診断は病気を発見するだけではなく、生活環境や生活習慣を見直し、改善する良いきっかけにもなります。大切な猫ちゃんとずっと元気に暮らすために、定期的に健康診断を受けましょう!

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AniCure動物病院では猫の健康診断を受ける事が可能です。検査の種類は様々あり、猫種や年齢によってどの検査を受けるのか、担当の獣医師と相談して決める事ができます。
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