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地域とねこのための活動、TNRとは?③

更新日:上級ペット管理士/愛犬飼育管理士嬉野 千鶴

地域とねこのための活動であるTNR。今回はTNRの歴史についてお話ししようと思います。

いまだに野良ねこはよく見かけますが、野良犬は滅多に見かけませんよね。
これには狂犬病の歴史が深く関わっています。

イヌには狂犬病という発症するとほぼ100%死亡する感染症があります。この狂犬病は噛まれることによりヒトにも感染するので非常に恐ろしい病気として知られており、1957年以降、国内での発生は確認されていませんが、今でも海外では毎年多数の方が亡くなっています。この恐ろしい病気と戦うために日本では狂犬病予防法などの関係法規が制定され、その結果として野良犬は年々減少していきました。

一方でねこにもヒトに感染する病気はありますが、ねこでは狂犬病の感染が稀なので狂犬病予防法により抑留されることがありませんでした。こういった背景から野良ねこは日本全国どこにでも自由気ままに暮らしています。天敵が少ない、ヒトが暮らしている所には隠れられる場所や食べ物がたくさんある、地域の方が定期的にフードを与えているといった環境は、ねこにとっては暮らしやすくその中で繁殖を繰り返すのでねこの数はどんどん増えてしまいます。

頭数が増えれば、糞尿や鳴き声が社会問題化し、行政によって殺処分されてしまうことも少なくありませんでした。1990年代には年間30万頭近く殺処分されていましたが、現在では年間3万頭以下になっています。それでも多いと思いますが、、、この約30年で殺処分数を1/10まで減らすことができた理由は、法改正や保護活動者の増加などが挙げられ、TNRはこの後者の活動の一環です。

つまりTNRは、ねこの頭数が増えすぎることで発生してしまう社会問題を事前に抑制するという側面もある取り組みなのです。

嬉野 千鶴

【著書プロフィール】

嬉野 千鶴