肛門腺絞り

肛門腺絞りとは、肛門付近にある肛門腺(肛門嚢腺)と呼ばれる部分に溜まった分泌物を人の手で絞り、排出してあげる方法です。
肛門腺は肛門の両脇にある袋状のもので、ここに分泌物が溜まります。通常はウンチと共に排泄されますが、個体によってはなかなか出にくい子や、炎症などが原因で排泄されず溜まり続けてしまう場合もあり、定期的に絞ってあげる必要があります。
 

絞らないとどうなるの?

分泌物が溜まりすぎると、細菌の繁殖で肛門腺炎と呼ばれる炎症を起こし、さらに症状が進むと肛門腺が詰まって破裂し、肛門付近の皮膚が破けて出血します。これを肛門腺破裂と言い、破裂したことに気づかず放っておくと症状が悪化し、手術が必要になる場合もあります。また、破裂には強い痛みを伴うことが多く、食欲の低下や行動の変化として動かなくなる、怒りっぽくなるなどの症状が認められます。
 

こんな症状が見られたら溜まっているかも

  • 肛門を気にして舐める、咬む
  • 肛門を壁や床に擦りつける
  • やたら尻尾を追いかける


肛門腺絞りの頻度は一ヶ月に一回が目安です。
肛門腺から出る分泌液は強烈な臭いで、ワンちゃんネコちゃんはこの臭いで縄張りの臭い付けをしたり、挨拶をしたり、個体を識別したりします。
肛門腺絞りはお家でもできますが、絞るのには少しコツが入りますので、うまくできない場合は無理に自分でやろうとせず、病院やトリミングの時などで絞ってもらいましょう。